2023年12月から豪ドルNZドルでFX自動売買をしていますが、運用を始めた時からどうしても気になってしまうことがあります。
このモヤモヤを解消すべく、ある検証を始めてみました💡
自動売買設定に損切りを組み込む方法です。
本記事ではこの設定を考えた理由や損切ありの自動売買設定の詳細について書いていきます。
ぜひ最後までお読みください。
FX自動売買で損切設定をする理由
まず、なぜ損切設定をしようと思ったのかを書きます。
万が一レンジから外れた時の損失が大きい【含み損を計算してみた】
豪ドルNZドルは長期間レンジ相場が続いていることから、FX自動売買の定番となっています。地理的にも近く、政治経済も似ており、為替にも連動性があるため、レンジ相場になりやすいとされています。
以下、約20年間のチャートです。
特に2013年あたりからは上限1.15、下限1.01程度のレンジ相場が続いています。
豪ドルNZドル自動売買設定はSNSで公開されていることも多く、私もいくつも見て参考にさせていただいています。
多くの場合は、以下の図のように上限、下限、中央値を決めて、中央値から上限値までは売り、中央値から下限値は買いで設定を組みます。(コアゾーンで売り買いを重ねることもあります。)
ここでは、一般的な設定で損切をしない場合に、レンジから外れた時にどのくらいの損失になるのかを見ていきたいと思います。
<設定条件>
設定金額:100万円
上 限:1.15000
下 限:1.10000
売 買:1.07500以下で買い、1.07600以上で売り
数 量:0.3万通貨(3000通貨)
注文値幅:20.0pips
益出し幅:100.0pips
損切り幅:なし
上記設定で、レートが仮に1.15000、1.20000、1.30000まで上がった時の含み損は以下の通りです。
<結果>(NZドル円=91で計算)
「1.15000」の場合の含み損 -383,838円
「1.20000」の場合の含み損 -902,538円
「1.30000」の場合の含み損 -1,939,938円
※ポジションごとの計算式は以下の通り行っています。
例えば、1.076で売ったポジションが1.15になった時の含み損は
(1.15-0.76)×3000×91=33582円です。
これを持っているポジション分足して行くと上記含み損の額になります。
1.15くらいまではメンタル耐えられますかね。。
1.20だとそれまでの利益の積み重ねがなければロスカットされてます。
もちろん豪ドルNZドルは今のレンジ相場を保つはず、という確信があればこのようなことは想定しなくてもよいです。結果今後何十年もレンジ相場を保つかもしれません。
しかし、万が一レンジから外れた場合はこれだけ損失が大きいということだけは理解しておくべきですね。
含み損をかかえることのデメリット
デメリット1 撤退しにくい
もし、投資資金を他に回したい時に含み損がある場合は、損切するか、含み損がない位置にくるまで、待つ必要があります。
そして大抵の場合、撤退したいときには含み損をかかえています。
というのも、レンジの中央値付近にいる場合、含み損はないですが、そんな時は利益がでていることが多く、撤退しようという考えになりにくいです。
心理的にも撤退したくなるのは、レンジから外れた位置にいて利益でていない時が多いのではないかと思います。
FXの自動売買はレンジ相場を前提としているため、待っていれば含み損が解消されると考えてしまい、株よりも損切りが難しい気がします。
デメリット2 メンタルによくない
こちらも当然のことですが、確定していないとはいえ、含み損は嫌な気持ちになります。
さらにレンジから外れるのではないか、ロスカットされるのではないかという不安が付きまといます。
為替は株のようにその会社だけの問題ではなく、2国家のバランスの問題であるため、予想は非常に難しいです。
もはや自分がよくわからないことに関して不安をいだかねばならず、他の投資行動にも影響がでてしまう可能性があります。
損切りありの自動売買の設定について
コンセプト
それでは、設定についてです。
上記2点を設定に活かすため、大損失と含み損問題を解消するためにFX自動売買ではあまりみない「損切り」を設定し、最大限に利益をとる為に益出しレートを固定しました。
今回は「検証」なので、設定金額は10万円とします。
具体的な設定は以下の通りです。
売買レンジと損切位置
設定は以下の通りです。
売り設定
売 買:売り
数 量:0.1万通貨(1000通貨)
注文 値幅:10.0pips
益出レート:1.06000
上限レート:1.09200
下限レート:1.08000
損切レート:1.09700
具体的には売りでは以下の注文を入れます。
益出しは1.06000で一斉に行いますが、自動売買設定ではほとんどの場合値幅での指定となりますので、注文レートから1.06000までの値幅を記載しています。損切り値幅も同様です。
注文レート 益出値幅 損切値幅
①1.09200 320.0 -50.0
②1.09100 310.0 -60.0
③1.09000 300.0 -70.0
④1.08900 290.0 -80.0
⑤1.08800 280.0 -90.0
⑥1.08700 270.0 -100.0
⑦1.08600 260.0 -110.0
⑧1.08500 250.0 -120.0
⑨1.08400 240.0 -130.0
⑩1.08300 230.0 -140.0
⑪1.08200 220.0 -150.0
⑫1.08100 210.0 -160.0
⑬1.08000 200.0 -170.0
買い設定
売 買:買い
数 量:0.1万通貨(1000通貨)
注文 値幅:10.0pips
益出レート:1.9000
上限レート:1.07000
下限レート:1.06000
損切レート:1.05500
注文レート 益出値幅 損切値幅
①1.06000 300.0 -50.0
②1.06100 290.0 -60.0
③1.06200 280.0 -70.0
④1.06400 260.0 -90.0
⑤1.06500 250.0 -100.0
⑥1.06600 240.0 -110.0
⑦1.06700 230.0 -120.0
⑧1.06800 220.0 -130.0
⑨1.06900 210.0 -140.0
⑩1.07000 200.0 -150.0
設定の特徴とバックテスト結果
この設定の特徴は3つあります。
- ポジションを多く持ちすぎないように、注文を入れる値幅を狭くしたこと
- 損切設定をしたこと
- 益出しレートを固定したこと
ポジションを多く持ちすぎないように、注文を入れる値幅を狭くした
まず、ポジションを多く持つと、利益もでますがレンジから外れた時の損失も大きくなります。このため、なるべく狭い範囲で注文を入れることにしました。
損切設定をした
コンセプトの一つである「万が一の大損失をふせぎ、含み損を最小限に」の通りレンジから外れた場合の損失を少なくするために、売りの場合は、1.09700、買いの場合は1.05500で全てのポジションを損切りします。
全てのポジションが損切された場合の損失額は以下の通りです。
(NZドル円=91で計算)
1.09700を上に抜けてしまった場合= ‐13,013円
1.05500を下に抜けてしまった場合= ‐10,010円
益出しレートを固定した
もう一つのコンセプトである「豪ドルNZドルのレンジ相場を活かして最大限に利益をとる」のとおり、最大限の利益をとるために、益出しレートを固定しました。
買いの場合=1.09000
売りの場合=1,06000
全てのポジションを持ったまま決済された場合の利益額は以下の通りです。
買いのポジションを全て持ったまま1.0900へ到達した場合= 25,025円
売りのポジションを全て持ったまま1.0600へ到達した場合= 30,758円
動きのパターン
ここまでの損益額を見てみると、例えば、以下の動きでも損失は出ません。
2回下に抜けているので、-10,010×2=-20,020円
1回買いを決済しているので、25,025円
合計5,005円です。
一番良いパターンはこれ。
一番嫌なのはこれ。
全ては値動き次第ですね!(まあ、すべての取引はそうなのですが)
バックテスト結果
過去3年間のバックテストしてみました。
バックテストはトライオートFXの機能で無料で使うことができます。
因みにこの運用もトライオートFXで行っています。
会社名/サービス名 | 公式サイト |
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インヴァスト証券株式会社 / トライオートFX | トライオートFX |
2021年4月~2023年3月までの2年間の結果(実現損益+評価損益)は、11,277円でした。
最後はプラスに転じていますが、この2年間ではわずかにマイナスがある期間がほとんどでした。2年間。実際を思うと、すごい辛抱です、、
しかし、2023年4月~2024年3月までの1年間の結果は、なんと143,981円でした。(年率150%以上!)最近のレートを参考に設定しているので直近1年間の利益が大きいのは当然ですが、すごい利益です。
損失は防ぎつつ当たれば大きな利益がでる戦略と考えれば悪くない気はします。
まとめ
本記事のまとめ
- 万が一レンジから外れるとメンタルと含み損のダメージが大きい
- 設定を組むときは様々な状況を想定してみる
- 自動売買設定を始めるときはバックテストで検証してからにしよう
- 実験する時は少額で!
結果は今後定期的に書いていきます。
ちょっとマニアックではありますが興味のある方は時々見に来ていただければと思います!
今回の記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。