今回は、FX自動売買のリスク管理について書いていきます。
FX自動売買が気になっていたけど、リスクが怖い方におすすめの記事です!
FX自動売買で資産形成をするための重要なポイントを書いています。
ぜひ最後までお読みください。
それでは早速いってみましょう。
【運用前】FX自動売買を始める前に気を付けるべきこと3つ
「早く始めたい!」気持ちが先走りそうですが、ここでのリスク管理が後々の運命を左右します。まず投資を始める前のリスク管理を見ていきましょう。
【大前提】詐欺まがいの有料自動売買ツールは信じない
「絶対儲かる」「短期間で莫大な利益が得られる」などと謳って有料で自動売買ツールを売っている場合があります。投資に「絶対」はあり得ません🙅
また、海外業者は無許可で運営を行っている可能性があり、詐欺のリスクがあります。
国内の適正なFX会社では自動売買ツールを使うこと自体に料金は発生しませんので、(手数料は他取引より高い場合はあります)詐欺に引っ掛からないためにもメジャーな国内のFX会社をおすすめします。
通貨ペアと戦略を適切に選ぶ
今から自動売買を始める場合、以下のような通貨ペアと戦略が考えられます。
通貨ペア | 戦略 ※2 | 特徴 |
---|---|---|
豪ドルNZドル ユーロポンド カナダドル米ドル | レンジ | 地理的に近く経済的結びつきが強いため、レンジ相場が期待できるFX自動売買で人気の通貨ペア。 |
米ドル円 クロス円 ※1 | トレンド | 日本人にとって身近な通貨ペア。情報収集しやすいのでトレンドを追いやすい。 |
ユーロ米ドル | トレンド | 世界で最も取引されている通貨ペア。経済状況に素直に反応する通貨という評価が多い。 |
トルコリラ円 メキシコペソ円 | トレンド | 高金利通貨ペア。スワップポイントで大きく利益が狙える一方、新興国通貨のためリスクも大きめ。 |
※1 クロス円は米ドル以外の通貨と日本円のペア(ユーロ円、豪ドル円など)
※2 レンジ=レンジ内で買いと売りを両方仕掛ける
トレンド=トレンドを見極めて、買いか売りのどちらかを仕掛ける
個人的に今一番安定していると考えているのは豪ドルNZドルのレンジ戦略です。
【基本編】豪ドルNZドルのFX自動売買を半年間やってみた実績を公開の記事で、なぜ豪ドルNZドルなのか、どういう設定を選んでいるかを説明しています。
ただし、今チャートが安定していても、将来はわかりません。
以下、過去10年のドル円のチャートです。
2014年~2020年の間はレンジ相場のように見えますが、2021年からは円安が進んでいます。
2020年ごろまでのレンジ相場で自動売買を設定していた場合、近年の円安で「売り」が決済できず、大きな含み損を抱えているまたはロスカットされていることになります。
※ロスカットは含み損が一定の水準に達したときに、ポジションを自動的に強制決済することです。
そういったリスクを軽減するために、最低限、以下3つを考慮して通貨ペアと戦略を慎重に選ぶ必要があります。
- 中央銀行の考え方を理解する
- 通貨ペアの動き方の特徴を理解する
- 両国の経済指標をみる
1.中央銀行の考え方を理解する
中央銀行は、その国の政策金利を決定します。
インフレを抑えるために金利を上げたり景気後退を防ぐために金利を下げたりします。
しかし、例えばトルコのようにいくらインフレになっても金利を上げることを渋ったり、スイスのようにインフレ対策のために政策金利だけでなく為替介入で通貨高に誘導したりするなど、その国によって特徴がある場合があります。
投資する通貨の国の中央銀行にそういった特徴があるかどうか確認しておきましょう。
2.通貨ペアの動き方の特徴を理解する
為替は需給によって動きますが、注意深く追っていくと動きの特徴があります。
例えば、この章の冒頭で紹介したように、ユーロ米ドルは経済状況に素直に反応する通貨という評価が多いです。こういった特徴は自分で見つけるのには時間がかかるため、SNSでの情報収集が有効です。
3.両国の経済指標をみる
その国の経済は今どのような状況にあるのか、現在の為替水準と照らし合わせて見ておく必要があります。
今通貨高でも、インフレのピークである可能性があれば今後は通貨安方向に向かう可能性があります。「今の経済指標がこうだから、為替がこうなっている」という理解は必要です。
以上、自分がFX自動売買やスワップ投資をする際に最低限みている3つのことでした。
以下2つの記事ではどういう考えで投資する通貨ペアを選んだか書いています。
✔【基本編】豪ドルNZドルのFX自動売買を半年間やってみた実績を公開
✔【追記:利確しました】スワップポイント投資 ドルフラン保有中
万が一の対応を決めておく
どんなに調べて通貨ペアと戦略を選んだとしても、為替は予想しない方向へ動きます。
例えば、先に紹介した豪ドルNZドルですが、両国の経済規模は差がありますし、政策金利も違います。経済の動きや金利の変動によって豪ドル高へ進む可能性も考えられます。
どんな状況になったら損切りをするのか、損切りをせずに年単位でもレンジ相場に戻ってくるのを待つのかを決めておくと万が一の時でも冷静に対応できます。
後ほど対応例を紹介しますが、個人的にはあらかじめ決めた上限(下限)で自動的にロスカットされるという方法が落としどころではないかと思います。
【運用中】FX自動売買を運用中のリスク管理
続いて、運用中のリスク管理についてです。
運用中にできることはない
これを言うと終わってしまいますが、基本的に「運用中にできることはない」と思います。
できないと思っていた方がよいです!
以下、2020年から2023年の豪ドルNZドルのチャートです。
2022年の8月くらいに過去8年間のレンジの上限あたりまできています。
結果的にはレンジ内に戻ってきましたが、このまま上に行って戻ってこなかった可能性は十分あります。この時、赤丸のところで損切りを検討することになりますが、
- 上がればロスカット
- 入金すれば延命
- 下がれば大きな利益がでる
という状況です。
しかも、過去8年、このレンジから上抜けたことはありません。
自分で損切りできなくないですか?
下がってくるのを待ちたくなりますよね。
「レンジから外れそうになったら損切りすればいいじゃん」と思ってしまいそうですが、それはできないと考えたほうがよいです。
できないことを前提に「損切予約を入れておく」「ロスカットまで待つと決める」等、計画をたてておくべきです。
相場の動きを追いかけて相場観を養う
前の項で「運用中にできることはない」と書きましたが、今後の運用計画のために「相場の動きを追いかける」ことはしておいた方がよいです。
私が実感しているメリットを紹介します。
実際に(FXに限らずですが)投資を始めてから自然に他国の経済状況や政策に目が向いて、興味のあることが増えて生活が楽しくなりました✨
想定外の為替の動きもSNSでの意見に惑わされず、自分の考えが持てるようになりましたし、最近はいつも追いかけている豪ドルNZドルの裁量取引で利益が出ました!
こんな感じでいいことずくめです。
でも「相場の動きを追いかける」といっても、大したことはしてません。
たったこれだけです。月に4、5回、5分程度のアクションですね。
経済指標は経済指標カレンダー(マネックス証券HP)で✔しています。
少し時間差はありますが、口座を開いていなくてもみられますし、各国網羅されているのでとても見やすいです。もちろん自分が見やすいサイトでOK。証券会社の多くは自社サイトで経済指標を見やすくまとめています。
ただ、あまり多くの通貨ペアを持っていると、世界経済に何かあったりしたときにパニックになってしまいます。
自分がチェックできる範囲で、運用する通貨ペアを選ぶことをおすすめします💡
【重要】増えたお金は出金してNISAで再投資がおすすめ
この章がこの記事の最重要ポイントです。
FX自動売買を始めた目的は「投資をすること」ではなく「資産を築くこと」ですよね。
しかし、ただFX自動売買を始めただけでは効果は最大限に発揮できません。
無計画に運用を続けて、万が一ロスカットになったら逆に資産は減ってしまいます。
ここでは「増えたお金は出金してNISAで再投資するメリット」を紹介します。
それがおのずとリスク管理になりますので、一石二鳥です!
増えたお金を出金・再投資しなかった場合
まず初めに、増えたお金を出金・再投資しなかった場合に資産がどうなる可能性があるかをみていきます。
FX自動売買で一番怖いのは、為替が想定外の方向へ行きロスカットされることです。
そこで、運用3年の後、ロスカットされた場合に残る資産を見ていきます。
ざっくりとした試算ですが、以下のように利益がなくなるどころか、元本のほとんどが吹っ飛びます。
※ロスカット後の残高は運用方法により異なりますのであくまで1例です。
3年後、「元本+利益」は拡大しているのでロスカットの可能性は低くなります。
ただ、万が一でもロスカットされるとこれだけ損失がある可能性があるということです。
増えたお金を出金・再投資した場合
続いて、増えたお金を毎年出金してNISAで再投資していた場合をみていきます。
その他の条件は同じです。
3年1ヶ月後にロスカットされた時、利益分は別途NISA口座で運用しています。
このため、ロスカット後の資産とNISA口座で運用中の資産を合わせると、元本くらいの資金は手元に残ることになります。
ただし、再投資しなかった場合よりもロスカットの可能性は高くなります。
再投資する場合としない場合のメリットデメリットと比較のまとめ
再投資した場合としない場合のそれぞれのメリットデメリットをまとめました。
再投資する場合としない場合のメリットデメリット
比較まとめ
もしかすると、「再投資しない場合はロスカットのリスクが減るからいいじゃん」と思われるかもしれませんが、長期の視点になればなるほど為替はどう動くか予想がつきません。
前の項の例で考えた場合、再投資しなければ5年後、10年後ロスカットされた場合も残る資金は30万円だけです。再投資していれば、5年後、10年後は利益分の運用資金だけで元本を大きく上回ります。
以上の理由で、FX自動売買のリスク管理の1つとしても「増えたお金は出金してNISAで再投資する」がおすすめです。
「NISAで再投資」はわかりやすく伝えるために書いています。NISA枠が埋まっていれば特定口座でももちろんOK!インデックスやコモディティ等、自分で選んだ長期投資先に投資しましょう。
イメージはFX自動売買でお金を作ってNISAで資産形成です!
利益分をFX自動売買で運用するのはリスクが高すぎる
「FX自動売買で複利運用すればもっと増えるんじゃない?」と思われた方もいると思います。
もちろん、それも可能です。
ただ、万が一でもロスカットのリスクがあるFX自動売買で複利運用することは以下の理由でおすすめしません。
- 「元本+利益」が増えても、ロスカットの可能性が低くならない
- たとえ10年運用できて資金が大きく増えても、その後ロスカットされれば損失が大きく資産形成ができない
まとめ
本記事のまとめ
- 通貨ペアと戦略の選択は慎重に!
- 万が一のときの対応を決めておく
- FX自動売買の利益はNISAで再投資がおすすめ
- イメージはFX自動売買でお金を作ってNISAで資産形成!
今回の記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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