読んだ本

NISAで日本株は買うべき?日本株の未来を知りたい方へ読んでおくべき2冊の本

※当ブログのリンクには、広告が含まれていることがあります。

世間一般では「オルカン(オールカントリー)とS&P500、どちらを買うべき?」というテーマが話題だけど、日経平均(又はTOPIX)は買わなくていいの?
せっかく日本に住んでいるのだから、日本株の未来を知りたい

こんな考えをお持ちの方に、今回は日本市場を知れる本2冊を紹介します

自分自身も「NISAで日経平均(又はTOPIX)を買うべきかどうか?」と迷っていました。
そんな中で出会ったのがこの2冊です。

以下、本のタイトルです。

  • エブリシング・バブル終わりと始まり:地政学とマネーの未来2024-2025
  • 松本大の資本市場立国論: 日本を復活させる2000兆円の使い方

この2冊は全く異なる切り口で日本市場の今後について書かれています。

2冊読むことで、外(世界)から見た日本市場と内から見た日本市場が理解出来るので、日々のニュースについても様々な考えを巡らせられるようになります。とても貴重な2冊です。

どちらもとても読みやすくて内容が面白いので、内容が充実しているにもかかわらず、あっというまに読み終わった感覚です。

それでは早速1冊ずつみていきましょう。

エブリシング・バブル終わりと始まり:地政学とマネーの未来2024-2025

まずは、本の基本情報です。

タイトル:エブリシング・バブル終わりと始まり:地政学とマネーの未来2024-2025
著者:エミン・ユルマズ
定価:定価 1,870円(税込)
発行:プレジデント社
発売日:2024年6月17日

著者のエミンさんはトルコ出身で、大学から日本に来られて野村證券に入社。2014年に退職後、2024年の3月まで投資家を育成する「複眼経済塾」に携わられてきました。現在はエコノミストとして沢山メディアに出演されていますね!

投資における「地政学の重要性」に気づかされた

サブタイトルにも入っていますが、この本の軸は「地政学」です。
「地政学」の意味は以下の通りです。

国の政策を、主として風土・環境などの地理的角度から研究する学問

出典 精選版 日本国語大辞典

投資と地政学の結びつきはすぐにイメージしづらいかもしれませんが、エミンさんが地政学を絡めて日本株の未来について分かりやすく話をされている動画があります。内容は本の一部をお話しされています。

実際のyoutube動画はこちら(動画は04:16から開始します)

日本の景気や株価のサイクルは、他国との関係や世界の政治的な動きによって動かされるものという前提で、戦後の日本の状況を整理されています。

本当にざっくりとですが動画で話されている概要はこんな感じです。

  • 米ソ冷戦の開始 :米国にとって日本はソ連に対抗するために重要な国となる
             米国の意図通り高度経済成長期を迎え株価上昇サイクルへ
  • 米ソ冷戦の終了 :米国にとって日本を発展させる意味がなくなる
             日本は景気後退へ突入
  • 米中新冷戦の開始:再び日本は米国にとって重要な国となる
             日本は株価上昇サイクルに突入

つまり、その時の日本が世界にとってどういう存在であるかということによって、日本の経済の動きが変わるということですね。そして米中新冷戦の開始した今、日本は長期的な株価上昇サイクルに突入したという話をされています。

この話を聞いて、昔「グローバルヒストリー」の講義を受けたことを思い出しました。

例えば、ルネサンスの文化って、イタリア国内で当時のイタリア人だけで何もないところから造り上げたものではありません。世界の様々な地域が関わりあう中で経済が動いて時間をかけて発生してきたものです。

具体的には13世紀以降、中国、インド、中東をまたがって、絹や香辛料、砂糖、胡椒等が盛んに取引され、遠隔地貿易が発達したところから始まります。

この遠隔地貿易は最初の世界経済と言われています。

その後、十字軍遠征で中東とのパイプができたヨーロッパにも貿易は拡大しますが、特に中継地のイタリアに富が集まります。その結果ルネサンス芸術の強力なパトロンとなる富豪が生まれたことが、ルネサンスの発生の一因と言われています。

中国からヨーロッパまでの経済の動きがルネサンスの発生に影響しているのです。

他にもルネサンス発生の理由はありますが、それも他国からの文化の流入などで、とても1つの国の中だけで起こるようなことではないんですよね。

そもそも歴史や政治経済を1国単位として教えてきたことに無理があるのだと思います。

私はこのようなグローバルヒストリーを学んだ経験から、エミンさんのお話にはものすごく納得させられました

この本が貴重な理由

「エブリシング・バブル終わりと始まり:地政学とマネーの未来2024-2025」について、ここで言いたいことは、とにかく幅広い知識に加えて、様々な分野を横断できる柔軟な思考がすごいということです。

世界の多くの地域とその歴史に関する知識、さらに長年相場を見てきた経験、政治経済への造詣があってこそ成り立つ本です。

そして、ここまでグローバル経済のことばかりになってしまいましたが、しっかりグローバル経済と投資を結び付けて解説してくれています。

他の国々との関係によって起こりうる日本株やコモディティへの影響、さらに各国の政治的な動きによって変化が起こりうる市場についても言及されています。

その意味でも他の誰にも書けない本だと思います。

この本に向いていない人

これまでのお話の通り、今後の日本市場を考えるうえでとてもおすすめな本なのですが、以下のような方には向いていないかもしれません。

  • 具体的なおすすめ銘柄を知りたい方
  • 短期投資志向の方

基本的に日本市場全体の話なので、おすすめの個別銘柄を知りたい方には向きません。また、時間軸は数年~数十年単位になりますので「○○年〇月から日本株がこういう動きをする可能性がある」というような、具体的な短い期間の予想などはありません。

直接的な投資のヒントを得るというよりも、大局を捉える思考を身につけるための本だと思います。

まとめ

改めて「投資って面白い!」と思える本です。

普通に地政学の読み物としても面白いです。「地政学が書かれている本って難しそう」と思われるかもしれませんが、かなりかみ砕いて分かりやすく説明されていまし、内容が面白いので全く苦なく読めます。

日本株や世界史に少しでも興味がある方はぜひ読んでみてください👍

繰り返しになるかもしれませんが、地政学を軸に日本の金融市場を語られているという点でとても面白くて貴重な本です。投資をしている人(これから始める人)にとって、絶対に読んでおきたい本です。

以下リンクから、ぜひ他の方の口コミもチェックしてみてください。(amazonにとびます)
エブリシング・バブル終わりと始まり:地政学とマネーの未来2024-2025

松本大の資本市場立国論: 日本を復活させる2000兆円の使い方

続いて、2冊目の紹介です。
本の基本情報は以下の通りです。

タイトル:松本大の資本市場立国論: 日本を復活させる2000兆円の使い方
著者:松本大
定価:定価 1,980円(税込)
発行所:東洋経済新報社
発売日:2023年10月4日

現マネックス証券会長の松本大さんが書かれた本です。長年の金融業界での経験から日本企業や日本市場を熟知されています。この方のすごいところは本当に日本をよくしたいと考えて、実際にご自身の資金と行動で日本を立て直そうと尽力されていることです。

本の内容は、日本の資本市場を活用して日本をよくするための問題点の指摘や具体的な提言がまとめられた本です。(投資本ではありませんのでご注意ください)

このYou tubeをみてください

この本を書くにあたってベースとなっている著者の思考がこの2つの動画につまっています。
(以下リンクをクリックするとYou tubeにとびます。)

【後藤達也vsマネックスCEO】日本経済の潜在力とは!?【東大に10億寄付の訳】
【マネックス松本CEOの新戦略】資本市場から!日本改革案【後藤達也と激論】

本当に素晴らしい動画になっていて全て見ていただきたいですが、2時間くらいかかってしまうので、印象に残った話題をピックアップして概略を書きます。

  • 日本の資本市場を活用して日本をよくしたい
  • 研究所設立のために東京大学に10億円を寄付
  • 東証フォローアップ会議について
  • 会計制度への提言(M&Aの償却について)

日本の資本市場を活用して、日本をよくしたい

資本市場をよくすることは国民全員にプラスである。資本市場をどのように活用すれば、生産性とか競争力があがり、日本はもっとよくなるのかを研究して発信したい。」という意味のことをおっしゃっています。
この部分が著者の思考の根幹で、全ての話の大もとになっています。

研究所設立のために東京大学に10億円を寄付

前の項目に記載した「資本市場をどのように活用すれば、生産性とか競争力があがり、日本はもっとよくなるのか」を研究するために、東京大学に10億円を寄付されたそうです。
動画ではその研究の運営についても話をされています。

東京証券取引所フォローアップ会議の裏話

1年くらい前に、東京証券取引所がPBR1倍割れ企業に対して改善策を開示・実行するよう要請したというニュースがあったと思います。著者の松本さんはその取り組みを検討してきたフォローアップ会議のメンバーなのですが、その裏話をしてくれています

会計制度への提言(M&Aの償却について)

株価を上昇させるための具体的な案として、会計制度のルール変更について提言されています。「企業買収した際の費用を一定期間毎年償却しなくてはならないという制度について、再検討してもいいのではないか」というような具体的な話をされていました。

この他にも「資本市場とは?」「日本企業の問題点」などについてもご自身の考えをお話しされています。

以上は動画の内容の一端ですが、「松本大の資本市場立国論: 日本を復活させる2000兆円の使い方」には、より広範囲に日本企業や政治、株式市場に対する問題点や改善案が具体的に記載されています

本の感想

「日本をもっとよくしたい、そのために株価の上昇が必要」という思いで、具体的な仕組みづくりの提案が展開されています。

とにかく著者の松本さんの志が素晴らしいです。
その影響で全体的に問題点を指摘しつつも話が建設的なのが印象的です。

そして、東京証券取引所のフォローアップ会議に参加されていたり、東京大学に10億円を寄付したり、実際に日本を立て直そうと尽力している当事者の言葉なので、説得力があります

自分の考えも確認しながらじっくり読みたい本です。

難しい内容のように感じるかもしれませんが、具体例を挙げながら分かりやすく説明されているので、とても読みやすいです!

漢字には全てルビが振られていますが、多くの人に読んでもらうために少しでも枷となるようなことは排除しておきたいという思いからのようです。細部までこだわりがつまっています。

この本に向いていない人

そもそも投資本ではないので、投資先のヒントになるようなことは書かれていません。なので以下のような方には向いていないと思いますので、ご注意ください。

  • 投資先のヒントを求めている方
  • 日本の市場全体のことには興味がない方

まとめ

繰り返しになりますが、とにかく著者の松本さんが素晴らしい方です。
「日本にこういう方がいたんだ、、」と感動すら覚えます。今後も活動を追いかけたいです。

もしまだ先ほどの動画を見ていない方がいたら、お時間のある時にぜひ見てほしいと思います。ここまで言う理由が分かると思います。

そして松本さんの考えがすべて書かれた「松本大の資本市場立国論: 日本を復活させる2000兆円の使い方」は必読です。

以下リンクから、ぜひ目次だけもチェックしてみてください。(amazonにとびます)
松本大の資本市場立国論: 日本を復活させる2000兆円の使い方

因みに冒頭で「NISAで日経平均(又はTOPIX)を買うべきかどうか?」と迷っていたと書きましたが、買いました😆今後に期待です👍20年ガチホです!

それでは今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。



★ブログランキングに参加中です★
よろしければ応援してください!

全般ランキング
全般ランキング

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村

-読んだ本
-